耐えて耐えて耐えて
一月分の生活費は渡さないと言われた。
彼が不貞行為に及んでいる間、私は自分の貯金を崩してやりくりして生活をした。
貯金はこの2年で底をついた。
年収600万以上ある男が、12月のボーナスもあったはずなのに、もう私の生活は保証しないと言った。
あれだけ私を軟禁して、外に出したがらず、バイトすらも行かせず、ただ家で大人しくしていなさいと言ったのに。
今になって最低限の生活すら保証する気はないらしい。
不貞行為が発覚してから、『私達が出て行くまで、この家に帰ってこないでほしい』と言った。
けれど彼は、タバコの香りを身に纏い、悠悠と帰宅し部屋に入る。
シャワーだけでいいと言った彼は、シャワーすら浴びず、洗面所で着替えてそのまま出てくる。
もう既にお風呂も済ませているのだろう。
わざわざ帰ってこなくて良いのに。
何もしていないのに、突然、不安感が私を襲って、息苦しくなったり、手が異常に震えたり、背中に激痛が走る。
LINEの文字、名前すら視界に入れたくない。
本当にただの恐怖でしかない。
最初から不安だった。
これからどうやって生きていけばいいのか。
振りかざされた手は私を脅すには十分だし、声すらも凶器だ。
私を踏みつけたり、首を絞めたり、それらは些細なことかもしれないけれど、私は嫌だったし、いくら何を言ったとしても、『悪意はない』という一言で私の気持ちは蔑ろにされた。
誰も彼もが、私に癒しを求めたり、相談に乗って欲しいと言ってきたりするけれど。
じゃあ私の癒しはどこにあるの。
甘えることも、癒されたいと願うことも許されないなら、この絶望をどうすればいい。
どこに吐き出せばいい、どこに捨てればいい。