原点回帰せよ

 

半泣きになりながら、その感情を隠すために丁寧語を使う。そして少し強めに発言する。

気分が落ち込んでいる時に話すのが悪いのかもしれない。

そうでなくとも考えは変えられなかっただろうけれど。

 

 

次の瞬間、音を立てて"何か"が崩れ去った。

興味?関心?友情?愛情?同情?

 

何だろうか。

 

わからない。

 

いや、『わかりたくない』のかもしれない。

 

 

しばらくは考えながら、こちらの意見を言ったり、相手の話を聞いたり。

話せば話すほどに、崩れ去った"何か"がさらに粉々に砕かれていく。

 

「本心を言うことはない」と彼が言ったと同時に、2日前の"寂しい"という言葉は冗談だったという確信に変わった。

先程の、「もっと構って欲しい」という発言もただ私を困らせたくて言っただけなのか。

 

到底、通常の人間がストレスを感じないだろう出来事でも過度なストレス状態に落ちることがある。

繊細というか、神経質というか、これは性格的な部分でなかなか改善し難いところだ。

そのため、(会話を続けるために)相手方にストレスになるような発言を控えて欲しいと伝えた。

これについては十分話していたつもりであったし、それによって引き起こされる身体的な不調についても伝えていたつもりであった。

重要なのであえて言うが、"つもり"は十分ではない。

 

先日の"寂しい"という発言に対して、『彼は、(勝手に)寂しいと感じている』という認識をすればいいのに、私はというと『彼を、(私のせいで)寂しくさせている』と認識してしまった。

そもそもその発言自体が、本心なのか冗談なのか計りかねていた私にとって、冗談だとわかるまでの期間はストレス以外の何者でもなかった。

 

物事の認識を変えることで、自身のストレスを軽減もしくは限りなく0に近付けることができるとわかっていても、どうしても変えられないのだ。

しかしそれが冗談であったならば話は変わる。

 

彼の"寂しい"という発言は冗談であった。

という確信を得た。ならば、それは嫌がらせだったのか。ストレス状態に陥りやすい私に対して、その冗談はとても悪質的だと思ってしまった。冗談であるならば『寂しくさせてしまった』と自責の念に苛まれることもなかった。

 

問題なのは、彼が「本心を言うことはない」という発言の撤回に加えて「先日の"寂しい"という発言は本心だ」と言ったことだ。

そして寂しいと発言したのはわざとではないと。

本来、自分の感情を相手に伝えることは誰かに否定されることでも、阻止されることでもないのに、私と話すからこんな少しのことで問題になっている。

 

相手の"寂しい"という感情に差異はないのに、私の受け取った感情には大きな差異が生じてしまった。

 

本心だったなら。と考え直してみた。

"寂しい"という言葉自体に、何ら問題はないのだ。だってただ彼が日常生活の中で寂しいと感じたことがあって口にしただけかもしれないのだから。

少なからず、彼が今"寂しい"と感じているということには間違いない。

それを私に対して発言したということは、私がどうにかすれば改善される見込みがあるということだろうか?

その後「もっと構って欲しい」という追加情報によって、私が寂しくさせているという確信を得た。

 

十分とは言えずともできる限りの時間を割いている私にとって、"もっと"と要求されることは、【要求に応えられない罪悪感】に対してストレスが発生してしまうのだ。

けれど要求されたのは時間ではなく、濃度だという。もっと難しい。

 

そもそもの熱量が違うということは話題になったが、その通りで私は基本的に冷めていると思う。

 

結果的に"寂しい"という発言自体が、本心だろうが、冗談だろうが私に対しての発言なら、その時点でストレスになったというわけだ。

 

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私は依存体質の君に『10番目くらいでいいよ』って最低なことを言うし、君は私をストレス状態に落とすし、お互いの傷口を抉っているのが何とも言えない状況だね。

 

君が言ったようにもう話さない方がいいのかもしれないし、お互いのためにそれが最善だと言うならきっと間違いないんだろう。

私はバカだから、君の言う方法よりもいい方法なんて思いつかないし、どうしていいかもわからない。

今まではストレスから逃げるために話し合いの場すら設けず、私が相手をシャットアウトしてきたからなんか不思議な気分である。

 

本心を言いたがらない君が"寂しい"とだけは何度も発言し、それが永遠に満たされないのなら私の存在自体が邪悪なものだと思う。

そして私が君の何を満たせるだろうかと悩んでいる。

私に君の寂しさは埋められないし、出来ることなら誰かに埋めてもらえればと思っている。

また「そんなことよく言えたな」って言われるのかもしれない。最低なやつでごめんね。

君の傍に居る人間が、私である必要がないと何度も言ったし、それは多分この先も変わることのない意見だ。

そこに私の存在が前提としてあることで、満たされない感情があるなら本当に害悪でしかない。

 

原点回帰した時に生じた矛盾があっただろう。

何にでも理由があるなら、自傷行為とも言えるその行動は、君にとっての理には叶っているのだろうか。

 

1度目の別れのように、別れを明言してしまえば傷口をさらに抉るかと思ったので、このまま連絡を取らずに自然消滅が得策かと思って普通に過ごしている。

別れるという結果に変わりがないのなら、出来る限り穏やかなフェードアウトが美しいだろう。

君の言った、気にしないという意識よりかは、キーボードを弾いてみるとか絵を描いてみるとか寝るとかそっちに意識を向けていて、それらによって自然と意識が薄れていくのを待っている。

 

HP100で、一撃で100ダメージを受けて死ぬより、1ダメージずつ受けて気付いたら死んでた。

という方がまだ穏やかになれる。

 

なければないで、その生活に慣れると言ったが今も意見は変わらない。

私が思っているよりか、君はしんどいと言うけれど所詮人間なので、すぐに忘れられることはできなくても、限りなく遠い記憶の遥か彼方に追いやることはできるよね。

そしたらきっと楽になれるから、今は我慢しようと思ってくれれば嬉しい。

もともと熱量の違いだけで言えば、合うはずもなかったんだから仕方がないと思う。

決断を私に委ね「納得がいかなかったら言い訳をするだろう」って言った君が、言い訳もしなくなったからもういいかなと思った。

私も他力本願だな。

君が言い訳をしてくれたら、お互いのデメリットだけに目を向けずにメリットについても話せたかもしれない。手遅れ。

 

私は出来ることなら傍に居たいと思っていたけれど、それが自身のストレスになってしまうなら距離を取ることは避けられないだろう。

今までにしてきたことと、何ら変わりのないことだ。

そこに同列に並べてしまえば、君への関心も薄れてしまいそうで怖い。

別れが辛いということもなくなってしまいそうで。

寂しいという感情は同じなんだろうけれど、君が存在しているだけで私は満足なので寂しくても割と平気なのだ。

むしろその"寂しい"という感情に浸って、楽しんでいる部分もある。

本当の孤独は寂しい。

けれど、自分達の周りには人が全くいないわけではないので、本当の孤独にはなれないだろう。

意図したわけではないが、私にはいつでも話せる相手が複数いる。

そもそもを言えば"ストレスを与えてくる君"と話し続ける必要がないのである。

でも"ストレスを与えてこない君"の話はとても好きだし、歌ってくれるその声も独り占めしていたい。

なかなかに図々しいし、我が勝手だ。

目の前に並んでいる複数の調味料から毎日唐辛子だけを選ぶと私には刺激が強い。

たまには違った味もいいし、味付けがいらない時もあるだろう。

ほとんどは無味だが。

 

基本的にはゴスペルリングを装備して、必要な時はくちぶえをしてくれると助かるのだが、これで例えるなら、さながら私はスライムだろうか。

時々、致命的なダメージを受けたとしても、1ヶ月以内にはリポップするから心配はない。もしかしたらスライムベスメタルスライムになっているかもしれないし、8匹集まってキングスライムになる可能性もあるぞ!

そして君が空振りする可能性もゼロではないので、距離を取るということは割と肯定的な対応だと思っている。けれどそれらは依存体質の君にとっては辛いことだろうとも思う。

 

だから、お互いにとっての最善が連絡を取らないという結論に至ったのだろう。

何度も言うが君の傍に居る人間が"(めんどくさい)私"である必要はない。

私にその寂しさを埋めることができないのは、紛れもない事実だ。

期待には応えられないだろう。

 

ならば、期待に応えてくれる人を見つけるのが合理的且つ現実的だと思わないだろうか?

その自傷行為は君には必要のないものだ、早く気付いてほしい。

 

想像上の君の隣には、私がまだいるように見える。

君はベッドの上で、(寂しいのに…)と心の中で呟きながらそれを紛らわすためにYouTubeを見たり読書をしたりしている。

あの日々が返ってきて欲しいとか、寂しさを埋めたいとかそんなことを考えていて、とりあえず惰性で起き上がって、砂糖を食べる。

そのあとは、パソコンの画面と睨めっこ。

私はずっと寝ていて、君には構いもしない。なのに君は待っている。私への期待なんて無駄なのに。

そして、そんな思考にも疲れてベッドに入るとタオルがどっかいったと言う。

私が歌ってというと、布団が離してくれないとか、夜遅いからまた明日ねというけれど、その明日は永遠に来ない。

私は君を置き去りにして、もうそれからは永遠に目覚めないんだ。

 

君がいない今日を、私はそこそこ普通に生きていて、明日も君はここにいない。

私の隣に、君はもういない。

 

だから君の隣に私がいてはいけない。

 

寂しいとか辛いとか、どれも美味しい。

傷ついた感情は人生のスパイスだ。

そして君が私を嫌いになればいいのにと思う。

そしたら別れなんて辛くもないし、寂しくさせることもなくて、私は晴れて粗大ゴミ。

バカなの?って言われそう。

もちろんバカ。

 

本心かどうかもわからない

"君がいいんだよ"って言葉が聞こえる。

嬉しい、けど同時に悲しくなる、

私では君を満たせない。

 

君の寂しさは間違いだ。

私の存在そのものが君にとって害悪なのに、何故そばに居たいと思えるんだろう。

寂しさを埋めるための出会いが、抉ってどうする。

 

君が最後に話した、矛盾点に回帰すればそこが新しいスタート地点なので

 

頑張らずに頑張ってほしいと思う。

 

 

 

 

 

 

本当にもうどうしようもなくなった時は

 

 

 

"私はここにいるので"