旅路 ~レアアイテムを求めて~
新年が最悪なスタートとなりました。
あけましておめでとうございました(完)
吐き捨ててやる
『あけましておめでとう』
当たり前のように聞く新年の挨拶は
幼馴染1人だけ。私に向けて言ってくれた。
それでも十分だと思う反面、欲を覚えてしまっていて悲しくなる。
現実は一人で寂しく、カスタード入りのどら焼きを10個ほど作って
ひとり寂しくネズミの画面を眺め、他人を羨ましく思い呆然としている。
年が明けてしばらくして、iPhoneの通知に目を向けると、
みな独りよがりに、パワモバに戻ってこないか、年越しやってるぞ
などと送り付けてくる。
『あけましておめでとう』の一言すらないのである。
パソコンにも来る通知にうんざりしてシャットダウンした。
いつも想い馳せるばかりで叶わず、誰かに愛されることもなく
最終的にはボロ雑巾になってる
捻じ曲がった好意は、現実と非現実の境界線を容易に超えてしまう。
人それぞれ境界線が違うことがこれの大きな問題だ。
そもそも境界線なんてものがないのかも知れない。
やめてほしい。
もっとも続く愛とは、決して報われない愛だ。という名言を知人に教わり
確かにそうだと思うのだ。
色褪せることはなく、なんなら日が経つにつれ美化され続けるせいで
最初の頃よりも数倍愛おしくなっている。
故に、また夢を見てしまえば底のない孤独に突き落とされる。
他人と関わることを恐れて、自分で距離を取って寂しいと思う
貧弱なメンタルだが、相思相愛というものに憧れを抱く。
今年こそはと、思い切りよく新年になり元気を取り戻すが、
今年はもう終わった。
そしてまた孤独に耐えられず、”疑似的な愛”を欲して探す旅に出るのだろうな。
現実ですら手にすることのできないレアアイテム。
非現実の世界だけでいい、それだけでいい。